加湿器を使っても湿度が上がらない原因と対策 │ 広い部屋で効かない理由とは
「加湿器を使っているのに湿度が上がらない」とお困りではありませんか? その原因の多くは、「加湿器を置く環境と加湿能力のミスマッチ」です。オフィスや施設など広い空間で、特に発生しやすい問題です。 そこで本記事では、加湿器を使っても湿度が上がらない「7つの原因」について詳しく解説。ご自身で改善できるチェックリストも用意しています。 本記事で原因と対策を正しく知り、快適な環境づくりにお役立てください。
湿度が上がらない原因
「加湿器を設置しているのに、湿度が上がらない」とお困りの場合、原因は機器の故障とは限りません。加湿器を置いている環境や、加湿能力(空気中に放出できる1時間あたりの水分量)が影響しているケースが大半です。ここでは、湿度が上がらない主な原因について説明します。
空間の広さが適用床面積を超えている
加湿器を設置した空間の広さが、加湿器の適用床面積よりも広いと、湿度がなかなか上がりません。
適用床面積とは、加湿能力をもとに割り出した、適性な湿度(約50~60%)を保てる広さの目安のことです。一般社団法人日本電機工業会が定める電気加湿器の規格「JEM1426」に基づいて算出されています。
定格加湿能力 (mL/h) | 適用床面積 | |||
|---|---|---|---|---|
一戸建住宅 (木造住宅)和室 | 一戸建住宅 (プレハブ住宅)洋室 | |||
㎡ | 畳 | ㎡ | 畳 | |
約200mL/h | 6㎡ | 3畳 | 9㎡ | 6畳 |
約250mL/h | 7㎡ | 4畳 | 11㎡ | 7畳 |
約300mL/h | 8㎡ | 5畳 | 14㎡ | 8畳 |
約350mL/h | 10㎡ | 6畳 | 16㎡ | 10畳 |
約400mL/h | 11㎡ | 7畳 | 18㎡ | 11畳 |
約450mL/h | 13㎡ | 8畳 | 21㎡ | 13畳 |
約500mL/h | 14㎡ | 8.5畳 | 23㎡ | 14畳 |
約600mL/h | 17㎡ | 10畳 | 27㎡ | 17畳 |
約700mL/h | 20㎡ | 12畳 | 32㎡ | 19畳 |
約800mL/h | 22㎡ | 13.5畳 | 37㎡ | 22畳 |
約900mL/h | 25㎡ | 15畳 | 41㎡ | 25畳 |
約1,000mL/h | 28㎡ | 17畳 | 46㎡ | 28畳 |
約1,200mL/h | 34㎡ | 20畳 | 55㎡ | 33畳 |
約1,500mL/h | 42㎡ | 25畳 | 69㎡ | 42畳 |
例えば、9~10㎡ほどのリビングであれば「6畳用/200~350mL/h」で加湿できます。しかし、70㎡以上のオフィスに「42畳/1,500mL/h」を置いても、空間全体の湿度を上げるのは非常に難しいです。
広い空間に加湿器を設置する際、広さと適用床面積の不一致により湿度が上がらないという問題が発生しやすくなります。
換気・外気の流入で加湿が追いつかない
2003年の建築基準法の改定により、住宅やオフィスなど、原則すべての建築物の居室に換気設備の設置が義務づけられました。
これにより、換気システムが常時稼働されている状態で、加湿された空気が外へと排出されます。
さらに、冬の外気は水分量がとても少なく、乾燥状態です。ドアの開閉や人の出入りにより、乾いた空気が空間に入り込むことで、加湿スピードが追いつかなくなります。
暖房で「相対湿度」が下がる仕組み
暖房をつけると、空気が乾燥したように感じた経験はありませんか?これには「相対湿度」が関係しています。
相対湿度とは、空気が含める水分の割合のことです。
空気には、「温度が上がると、含むことのできる水分量が増える」という特性を持っています。しかし、暖房をつけて室温を上げても、空気中の水分量は変わりません。温度上昇によって「空気が含める水分の総量」だけが増えるため、相対湿度が下がります。
12月から1月にかけて急に湿度が上がらなくなる場合も、外気の乾燥が急速に進むとともに、暖房により相対湿度が下がったためです。
置き場所によるセンサーの誤作動
加湿器を置いている環境により、湿度センサーが誤った状態を検知し、加湿量を抑えている可能性があります。特に以下の設置場所で誤作動を招くおそれがあります。
エアコンの風が直接当たる場所
エアコンの温風が加湿器に直接当たると、加湿器の周囲だけが高温になり、センサーが正確な湿度を測れなくなります。
また、エアコンの温風と加湿器の吹き出しがぶつかると、空間の空気の流れが乱れます。これにより、湿気が空間の一部に溜まり、全体に水分が行き渡らなくなります。
床への直置き
冷たい空気は下に溜まる性質があるため、床付近は温度が低くなります。温度が低いと空気中に含める水分量が少なくなるため、相対湿度が高くなります。そのため、低温の床付近に加湿器を置くと、センサーは「湿度が高い」と誤検知し、加湿量を弱めてしまうことがあります。
窓際
窓付近は室温が外気で冷やされ、結露が発生しやすい場所です。冷気と結露の影響でセンサーが「高湿度」と誤検知し、運転をセーブしてしまうことがあります。
なお、強力なファンを搭載した床置型の大型機であれば、加湿した空気がスムーズに循環するため、置き場所による影響を受けにくくなります。
フィルターの目詰まり・手入れ不足
2週間以上、加湿器の手入れをせずにいると、水に含まれているカルキや、ホコリがフィルターに付着し、目詰まりを起こします。
フィルターが目詰まりすると、水を吸い上げる効率や風の通りが悪くなり、本来の加湿能力を発揮できなくなります。
なお、「気化式」は水を含んだフィルターに風を当てて水分を放出するため、目詰まりしないと思われがちですが、それは誤解です。タンクの水が減らない場合は、フィルターが目詰まりしている可能性があります。
オフィス・広い空間で「特に」湿度が上がらない理由
オフィスや施設などの広い空間では、一般家庭とは異なる建築構造や設備上の特徴により、加湿器を置いても湿度が上がらない場合があります。その理由について詳しく見てみましょう。
天井高と換気量で必要加湿量が跳ね上がる
前述した適用床面積は、基本的に一般住宅(天井高が約2.4m)を基準にしています。
しかし、オフィスや店舗、施設などは、一般住宅に比べて天井を高く造るケースがほとんどです。そのため、同じ広さであっても、空間全体の容積が大きく、空間を十分に潤すには大量の水が必要になります。
さらに、建築基準法などにより、空調設備を設けている業務空間には、1人あたり20~30㎥/h以上の換気が定められています。これは、1時間で1人の周辺空気がすべて入れ替わるほど強力なパワーです。
「空間の広さと適用床面積はマッチしているのに湿度が上がらない」
そのような場合、空間の容積と換気量に対して加湿能力が大幅に不足している可能性があります。
ビル空調は乾いた温風を送り続ける
ビルや商業施設にオフィスや店舗を構えると、セントラル空調により一括管理されているケースが目立ちます。
この場合、個別で温度や湿度の調整ができません。しかも、ダクトを通って温風を送り出すため、水分が蒸発しやすくなり、吹出口からは絶えず「乾燥した温風」が送られ続けます。
実際、テナントビルに入っているあるオフィスの会議室は、セントラル空調により常に乾燥状態でした。社員からミーティングのたびに「喉が痛い」と訴える声が相次ぐこともあったようです。
そこで、暖房が強いときでも短時間で加湿できる業務用加湿器をご提案したところ、乾燥問題が改善されました。
会議室(ミーティングルーム)の乾燥対策の事例はこちら
【事例】置き場所も手入れも見直したのに湿度が上がらなかったオフィス
「加湿器の置き場所を見直したり、フィルターの清掃をしたりと、原因と思われることは手を尽くしたのに、湿度が40%以上にならない」
そう頭を抱えていたのは、ある企業のご担当者様でした。
お客様の企業のオフィスは、生鮮品の保管庫と隣接しているため、非常に乾燥しやすい環境でした。ウイルス感染防止対策として、これまで家庭用加湿器を複数台設置しましたが、目標湿度に届かない状態が続いていました。
当社で現場を確認したところ、保管庫からの外気流入により、強力に加湿する設備が必要と判断。67畳用加湿器の約2倍の加湿能力(最大5,000mL/h)を持つ、業務用加湿器1台をご提案しました。
結果、稼働から素早く目標の湿度に到達。「湿度を上げるために重要なのは加湿能力」と実感されたご様子でした。
オフィスの湿度管理対策事例はこちら
対策 │ 今の加湿器での改善策と「加湿能力の見直し」
加湿器を置いても湿度が上がらない場合、実は使い方や置き場所を見直すだけで、改善するケースが少なくありません。ここでは、費用をかけずにすぐ試せる手順と、それでも解決しない場合の抜本的な見直しのポイントについて解説します。
まずは費用ゼロでできる改善
現在の設備環境のまま、改善できるポイントを順番に確認していきましょう。下記の対策だけで湿度が上がる可能性があります。
それでも湿度が上がらないなら加湿能力を見直す
上記のチェックリストをすべて試しても、湿度が40%に届かない場合、置き場所や使い方、加湿方式の問題ではなく、「空間の広さに対する加湿能力の絶対量」が不足している可能性が極めて高いと言えます。
以下の目安表を参考に、お使いの加湿器がオフィスの広さに合った加湿能力を備えているか確認しましょう。
空間の広さ | 推奨される加湿能力 | 加湿器の選び方 |
|---|---|---|
~25畳 | 900~1,500mL/h | 家庭用最大クラス |
~67畳 | ~2,400mL/h | 業務用67畳用 |
67畳超・高天井 | 5,000mL/h | 業務用最大クラスまたは複数台 |
※ 一般的なオフィスを想定した目安です。天井の高さや換気量の多さによっては、ワンランク上の加湿能力が必要になります。
小型を買い足すより大容量1台のほうが解決する理由
加湿能力を補うために、小型の家庭用加湿器を何台も買い足す方がいらっしゃいます。しかし、この方法はおすすめできません。
「小型(500mL/h)10台」と「大容量(5,000mL/h)1台」では、トータルの加湿能力は同じです。ですが、運用にかかる「隠れコスト」に大きな差が生じるからです。
比較項目 | 小型加湿器×10台 (500mL/h・5Lタンク内臓) | 大容量加湿器×1台 (5,000mL/h・50Lタンク内臓) |
|---|---|---|
1日の給水回数(※) | 10回 | 1回 |
手入れの手間 | 10台分のフィルター清掃 | 1台分のみ |
設置場所 | 10か所のスペースとコンセント | 1か所のみ |
加湿範囲 | 局所的な過加湿と結露 | 広範囲を均一加湿 |
※ 給水回数は、10時間稼働させた場合の数値です。
あるショッピングモールでは、乾燥対策として各フロアに大量の加湿器を設置していました。しかし、通常業務と並行して、何度も給水しなければならないという課題を抱えていました。
そこで、最大5,000mL/hの加湿能力を誇る、大容量業務用加湿器4台をご提案しました。
同機は加湿スピードが速く、素早く広範囲を加湿するのに優れています。何よりも、50Lタンクを内蔵しているため、1台につき1日1回の給水で約10時間の連続運転が可能です。加湿器の運用にかかる業務負担が大幅に軽減されました。
大容量加湿器のレンタル実績はこちら
チェックリストを全部試してもダメなら加湿能力不足の可能性が高いです。
加湿能力の高い加湿器を検討しましょう。
【事例】広い空間の「湿度が上がらない」を解決した導入例
ここでは、実際にオフィス特有の乾燥や加湿ムラを解消した事例を紹介します。
50名規模オフィスの加湿ムラをメイン機と補助機の併用で解決
約50名の社員が在籍するあるオフィスは、毎年冬になると、フロアの暖房とパソコン機器などの使用による乾燥にお困りでした。そこで当社に「フロアの広さに対して加湿器が何台必要かわからないので提案してほしい」とご相談をいただきました。
詳しくヒアリングしたところ、フロア周辺にある空調機器の空気孔から乾燥した空気が絶えず送られてくるとのこと。また、フロアがたいへん広いため、フロアの端で加湿ムラが発生するであろうと判断しました。
そこで、フロアの中心付近にベースとなる「67畳用の大容量加湿器1台」。特に乾燥しやすいフロアの端、エントランス、空調機器の空気孔付近に補助機として「18畳用」の設置をご提案しました。
このようなアプローチをとったことで、広いフロア全体にしっかり潤いが行き渡り、加湿ムラの解消に成功しました。
オフィス内の乾燥対策を行った事例はこちら
オフィスは、広さだけでなく、天井の高さ、エアコンの風向き、オフィス家具のレイアウトなどによって、最適な加湿器の台数や配置パターンは異なります。
「自社には大容量1台で足りる?」「補助機をどこに置けばいい?」
そのようなお悩みの際は、オフィス空間を知り尽くしたプロが在籍する、当社へお気軽にご相談ください。最適なプランをご提案します。
冬の間だけ使うなら「レンタル」という選択肢
「湿度が上がらない原因はわかったが、自社に最適な加湿能力がわからない」
「機種選びで失敗して買い直すのではないかと心配」
そのような不安をお持ちの方には、「レンタル」がおすすめです。
費用や運用リスクを抑えながら、オフィスの乾燥問題を確実に解決へ導く、「レンタルの4つのメリット」について解説します。
加湿能力が合わなくても「入れ替え」ができる
購入する場合、「思ったより湿度が上がらない」からといって、簡単に買い替えることができません。
しかし、レンタルであれば、オフィスの環境や湿度の変化を見ながら、必要に応じて加湿能力の異なる機種に入れ替えることが可能です。
必要なときだけ導入。不要になれば返却するだけ
加湿器が必要になるのは、乾燥が本格化する冬季だけです。
レンタルなら必要なシーズンだけ利用できるため、余計なコストがかかりません。また、オフシーズンになれば返却できるため、保管場所を圧迫することもありません。
料金に「保守」も含まれている
加湿器のレンタル料には、保守費用も含まれています。
そのため、加湿器が故障しても、代替品への交換・無償修理も可能です。(※自然故障に限る)
レンタル料を経費として処理できるケースが多い
加湿能力5,000mL/hを誇る「業務用加湿器 特大」は、月額15,680円からレンタルが可能です。高額な初期費用をかけずに高性能な機器を導入できます。
また、レンタルの場合、月額利用料を経費として処理できるケースが多いです。また、高額出費となる購入と比べて、社内決済がスムーズに進みやすいというメリットもあります。
「レンタル」で試して、自社に合った最適解を見つけよう
加湿器は、乾燥が厳しい冬の間のみ使用する機器です。まずは今冬の1シーズンだけ「レンタル」で試してみてはいかがでしょうか。
実際に設置し、稼働させることで、レビューだけではわからない、快適性や利便性を肌で感じることができることでしょう。
それらの経験を通じて、自社環境に合う加湿能力、機種、台数を把握でき、「確実に乾燥問題を解決する最適解」がきっと見つかるはずです。
よくあるご質問
Q1. オフィスの適正湿度を教えてください。
オフィスの適正湿度の目安は「40~60%」です。
「事務所衛生基準規則」では、空調設備がある場合、室内の相対湿度は「40%以上70%以下」になるよう努めなければならないと規定されています。
ただし、人が快適に過ごし、ウイルスやカビを防ぐ理想の目安は、40%~60%程度とされています。
特に冬場は、湿度が40%を下回ると、喉の痛みや肌の乾燥、ウイルスの活動が活発になります。社員の健康管理と快適な執務環境を両立させるためにも、年間を通して湿度40%以上をキープしましょう。
Q2. 湿度計はどこに置くと正しく測定できますか?
正確な湿度を測定するには、湿度計を「床から1~1.5mの高さ」かつ「部屋の中央に近い場所」に設置してください。
なお、以下の場所では誤測定の原因となるため、避けましょう。
- 床に近い場所:冷気が溜まりやすく、湿度が高く表示されやすい
- 窓際:外気の影響を受けやすく、結露や冷気で正確な湿度を測れない
- 加湿器の近く:水蒸気やミストが直接当たるため、室内の湿度を反映できない
- エアコンの風が直接当たる場所:温風により局所的に極端な乾燥状態を示す
Q3. 加湿器をつけると結露やカビが心配です。
業務用加湿器には、高精度な湿度センサーが搭載されているため、結露やカビの原因となる、過加湿の心配はありません。
目標湿度を設定し、自動運転モードにすることで、設定した湿度に達した段階で加湿量を抑えたり、一時停止したりします。無駄な加湿を防ぎ、常に適切な湿度レベルを維持するため安心です。
Q4. 何畳・何人の空間なら大容量業務用加湿器が必要ですか?
空間の条件にもよりますが、「30畳以上」に「7~8人程度」が常駐するオフィスや店舗などが目安になります。
ただし、実際の必要加湿能力は、「広さ」や「人数」のほか、「天井高」「換気量」「ビル空調の種類」によって大きく変動します。
「自社のフロアに最適な加湿能力はどれか」「大容量業務用加湿器が何台必要か」などの判断に迷う場合は、お気軽に当社までご相談ください。ヒアリングなどをさせていただいた上で、最適な機種やスペックをご提案します。
まとめ
加湿器をつけても湿度が上がらない原因は、以下の7つです。
- 加湿器を設置する空間の広さが適用床面積と合っていない。
- 換気・外気の流入で、加湿が追いついていない。
- 暖房により、温度が上昇して相対湿度が下がる。
- 置き場所のミスにより、センサーが誤作動し、加湿量を抑えている。
- 手入れ不足により、フィルターが目詰まりを起こしている。
- 高天井と強力な換気で、必要加湿量が大きくなっている。
- ビル空調による乾燥した温風が流れ込んでくる。
手始めに、前述したチェックリストを使って、加湿器の置き場所や使い方などを見直してみましょう。大半がここで改善されるはずです。
それでも広い空間の湿度が上がらないなら、原因は「加湿能力の絶対量」が不足しているためです。
まずは、今冬の1シーズンだけ「レンタル」で業務用加湿器でお試しください。
「高額な初期費用をかけたのに効果がなかった」というリスクを避けながら、自社のオフィス環境に最適な1台を見極められます。
法人専用 お問い合わせ
「お探しの商品が見つからない」
お電話でのお問い合わせ