業務用加湿器とは?家庭用との違い・種類・選び方を解説
加湿器とは、水を蒸気やミストに変えて湿度を上げる機器のことです。広い空間を加湿する際は、「加湿能力が高い機種」を選ぶのが鉄則です。 そこで本記事では、オフィス・施設・工場などでの利用に適した、法人向け「業務用加湿器」について解説します。 家庭用との違いをはじめ、業務用の種類や選び方についても紹介しますので、ぜひご参考ください。
加湿器とは?業務用と家庭用の違い
一般的なオフィスや施設では、家庭用加湿器ではパワーが足りません。まずは、加湿器の基本的な仕組みと、なぜ「業務用」が必要なのか、その根本的な違いについて解説します。
加湿器の仕組み │ 水を蒸気・ミストにして湿度を上げる
加湿器とは、水を蒸気や細かい霧(ミスト)に変えて空気中に放出し、空間の湿度を上げる機器のことです。
水を空気中に放出する方法には、主に「スチーム式」「気化式」「超音波式」「ハイブリッド式」の4タイプがあります。
業務用加湿器と家庭用の違いは「加湿能力」と「運用設計」
業務用と家庭用の大きな違いは、以下の差にあります。
- 加湿能力(mL/h):室温20℃・湿度30%時に空気中へ放出できる1時間あたりの水分量
- 運用設計:長時間にわたり安全かつ効率的に稼働できる仕様
オフィスや施設にて家庭用を何台置いても効果を感じられないのは、加湿能力が圧倒的に足りないためです。
また、加湿能力を補うために家庭用を複数台置いた場合、1日に何度も給水しなければならず、業務の負担にもつながります。
比較項目 | 業務用加湿器 | 家庭用加湿器 |
|---|---|---|
加湿能力(mL/h) | 最大5,000mL/h | 最大2,400mL/h |
適用床面積の目安 | 最大134畳(約244㎡) | 最大67畳(約122㎡) |
タンク容量 | 50L | 12L |
連続運転時間 | 約10時間 | 約5~7時間 |
想定給水回数 | 1回 | 約2回 |
耐久性 | 連日・長時間の使用に耐えられるパーツを採用 | 連日の長時間フル稼働は想定されていない |
オフィスの湿度は40~70%が基準
事業者には、オフィスで働く従業員の健康と快適な環境を守るため、「事務所衛生基準規則」に基づく対応が求められています。
この中で「空気調和設備を設けている場合は、室内の相対湿度を40%以上70%以下になるように努めなければならない」と明記されています。
つまり、乾燥対策をしっかり行い、適切な湿度を保つことは、企業として取り組むべき必要不可欠な業務ということです。
業務用加湿器の種類
業務用加湿器は、「加湿方式」「設置形態」「給水方式」によって異なります。自社の環境や運用にかかる手間などを考慮して、最適なタイプを絞り込んでいきましょう。
加湿方式による分類
空間に水を放つ仕組みは、4タイプあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
スチーム式
ヒーターで水を沸騰させ、温かい蒸気をファンで送り出します。パワーが非常に強く衛生的ですが、電気代が高くなりやすいのが特徴です。
気化式
水を含ませたフィルターに風を当て、自然に蒸発させて加湿します。電気代がかかりにくく安全ですが、加湿スピードはやや緩やかです。
超音波式
超音波の振動で水を細かい霧(ミスト)にして放出します。素早く加湿でき省エネですが、水を加熱しないため雑菌やカビが繁殖しやすく、衛生上、こまめなタンクの手入れが必要です。
ハイブリッド式
気化式の仕組みに温風を組み合わせたタイプです。多くの水分を蒸発させることができ、効率よく空間を加湿します。
加湿方式 | 仕組み(イメージ) | 適している設置場所 |
|---|---|---|
スチーム式 | 水を沸騰させ、その蒸気で潤す | 病院、介護施設、クリーンルームなど、衛生面を最優先したい場所 |
気化式 | 濡れたタオルを風に当て、自然蒸発させる | 学校、保育園、図書館など子どもが出入りする場所。安全性・静音性・省エネを重視したい場所 |
超音波式 | 霧吹きで細かなミストを放出させる | デザイン性を重視するロビー、局所的に加湿したい作業スペース |
ハイブリッド式 | 濡れたタオルに温風を当てて、効率よく潤す | 人の出入りが多いオフィスや、使用頻度の高い会議室や休憩スペース |
設置形態による分類
業務用加湿器は、設置する場所によって以下のタイプに分かれます。
床置き型
工事不要で、届いたその日から使用できるタイプです。キャスター付きもあるため、加湿したい場所へ自由に移動させることが可能です。
設置工事型
天井に埋め込んだり、水道管につないだりする工事が必要なタイプです。給水の手間は不要ですが、高額な設置工事費用と設置期間がかかります。
設置形態 | 設置工事 | 移動の可否 |
|---|---|---|
床置き型 | 不要 | 可(キャスター付きもあり) |
設置工事型 | 必要(10万~100万円超) | 不可 |
卓上型 | 不要 | 可 |
工事の費用や手間をかけず、なおかつ広い工場や施設などの大空間を今すぐしっかり加湿したい場合は、「床置き型の大容量タイプ」の一択になります。
給水方式による分類
加湿器の給水方式には、「水道直結式」と「タンク式」があります。
水道直結式
水道管から自動で給水されるため、給水作業を行う必要はありません。ただし、配管工事を行わなければならず、賃貸オフィスや、今すぐ使用したい場合にはハードルが高くなります。
タンク式
本体のタンクに手動で水を入れるタイプで、工事不要ですぐ導入できます。また、50Lといった大容量タンクを選択することで、給水回数が1日1回で完結します。
そのため、加湿器を運用する際に直面しやすい「給水作業」の負担が軽くなり、加湿器を毎日稼働させ続けることができます。
家庭用の感覚で選ぶと失敗する │ 広い空間で起こる「能力不足」
家庭用加湿器は、リビングや寝室といった「気密性が高く、天井が比較的低い空間」で使うことを前提に設計されています。そのため、オフィスや工場などの広い空間への導入には不向きで、思ったような効果を得られないのは当然のことです。
家庭用を置いても湿度が上がらない理由
前述したとおり、家庭用を設置しても湿度計が40%を超えない理由は、空間の広さに対して加湿能力が足りないためです。そして、空調や換気により加湿された空気が逃げてしまうためです。
オフィスや施設、工場などは、一般家庭に比べて天井が非常に高い造りになっています。全体の容積が大きく、空間を十分に潤すには大量の水分が必要になります。
また、ビル管理法や建築基準法により、空気調和設備を設けているオフィスや施設は、1人あたり毎時20~30㎥以上の換気が定められています。これは、1時間ごとに1人の周辺空気がすべて入れ替わるイメージです。
それほどまでに強力な換気によって、加湿した空気が外へと排出されてしまいます。
さらに、頻繁に人の出入りがあることで、ドアから外の乾燥した空気が常に流れ込んでくるのも、家庭用ではなかなか湿度が上がらない理由の1つです。
【事例】オフィスに家庭用を複数台→湿度不足だったケース
お客様の課題
お客様は、ウイルス感染防止対策としてオフィスを加湿したいと考えていました。しかし、オフィスが生鮮品の保管庫と隣接しているため、非常に乾燥しやすい環境。お客様が所有されていた家庭用を複数台設置しても、湿度がなかなか上がらない状況でした。
当社からのご提案
一時期は、お客様がご購入された業務用加湿器をご利用されていたこともありました。しかし、十分に加湿できなかったとのことで、当社にお声がけいただきました。そこで、より加湿能力の高い「業務用加湿器 特大(最大5,000mL/h)」1台をご提案しました。
「業務用加湿器 特大」の加湿能力は、業務用加湿器67畳用の約2倍とハイパワーです。オフィス内の湿度はスムーズに目的値に達し、乾燥・ウイルス感染予防対策としてご活用いただけました。
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台数を増やすと「給水・管理の手間」が新たな問題になる
加湿能力を加湿器の台数でカバーしようとすると、「管理の手間を増やす」という新たな課題を生み出します。
例えば、業務用加湿器(タンク容量:50L)を利用した場合、1日1回の給水で済むため、合計給水回数は、導入台数分のみとなります。
しかし、家庭用を導入した場合、業務用と同じ加湿能力を求めるなら、最大2,400mL/hの加湿器でも2倍の台数が必要です。しかも、1台につき1日に2回の給水が必要です。よって合計給水回数は、業務用の4倍となります。
さらに給水だけでなく、フィルターの清掃、故障時の対応も、業務用の2倍かかることになります。
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広い空間には「大容量の業務用加湿器」 │ 選び方の3ステップ
これまで家庭用加湿器のみ使っていた方でもご安心ください。次の3ステップに沿って判断すれば、自社に最適な業務用加湿器を選べます。
STEP1:必要な加湿能力(mL/h)を広さから選ぶ
プレハブ洋室の広さ | 木造和室の広さ | 必要加湿能力の目安 |
|---|---|---|
~14畳(~約25㎡) | ~8.5畳(~約15㎡) | ~500mL/h |
~25畳(~約45㎡) | ~15畳(~約27㎡) | ~900mL/h |
~42畳(~約76㎡) | ~25畳(~約45㎡) | ~1,500mL/h |
~67畳(~約122㎡) | ~39畳(~約71㎡) | ~2,400mL/h |
67畳超 | 39畳超 | 5,000mL/hクラスまたは複数台 |
STEP2:運用のしやすさで選ぶ
業務用加湿器の導入で重視すべき点は、加湿能力だけではありません。現場の管理負担も考慮しなければなりません。
特に以下の点は、業務用加湿器ならではの運用メリットと言えます。
給水は1日1回でOK
タンク容量が50Lという業務用加湿器であれば、給水は始業時に1回で済みます。通常業務と並行して行うため、負担になりがちな給水当番が不要になります。
最大約10時間の連続運転が可能
業務用加湿器はタンク容量が大きいため、途中で水が切れて止まる心配もありません。例えば、朝10時から夜8時まで、安定して快適な湿度をキープし続けられます。
フィルター抗菌・自動清掃機能
業務用加湿器には、衛生面を保つための抗菌仕様や、フィルターを自動で清掃する機能が備わっています。面倒な手動清掃による手間を最小限に抑えられる点も魅力です。
STEP3:導入方法で選ぶ +【事例】工場・ジム
業務用加湿器を導入する際、方法として「購入」と「レンタル」があります。まずは、業務用加湿器をレンタルでご利用いただいた企業の事例から見てみましょう。
事例①:特大5台を導入。お届け方法を工夫し配送料を削減
広大な敷地を持つ某工場では、商品管理と従業員の健康管理のために加湿器の導入をご検討されていました。
当初は「宅配で配送できるサイズ」を考えていらっしゃいましたが、それでは工場内を潤すパワーが不足すると判断。そこで、最大5,000mL/hの「業務用加湿器 特大」を5台、レンタルでご導入していただきました。
「業務用加湿器 特大」はトラックでの配送になります。なおかつお届け先が遠方だったため、配送料が高額となりました。そこで、お客様の社内便も活用するなどお届け方法を工夫し、配送料を抑えることができました。
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事例②:1台で広範囲を素早く加湿したいというご要望を実現
ウイルス感染防止対策として、フィットネスジム内を1台で可能な限り広範囲を素早く加湿したいとのお問い合わせをいただきました。そこで、もっとも加湿能力の高い「業務用加湿器 特大」をご提案し、ご採用いただきました。
「業務用加湿器 特大」は、業務用加湿器67畳用の約2倍の加湿能力がある一方、本体サイズや風音が大きいという特徴があります。しかし、マシンが稼働している状況下では気にならず、利用者が快適にトレーニングできる環境を実現しました。
また、「業務用加湿器 特大」は、夏は冷風機としても使用できます。1年間を通してのレンタルもご検討いただけることになりました。
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かつて、設備は「購入」が当たり前でした。しかし近年は「所有から利用へ」という価値観が加速しているため、「レンタル」を選択する企業が増加傾向にあります。その理由については次章で詳しく解説します。
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業務用加湿器は購入とレンタルどちらが得?
結論から言うと、加湿器のように「乾燥する特定期間のみ使う設備」は、「レンタル」がお得です。
そして、使う期間だけ費用が発生し、使わない期間の保管が不要である、レンタルならではの合理性が企業から選ばれている理由です。
では、それぞれの特徴を詳しく比較してみましょう。
購入とレンタルの比較表
比較項目 | 購入 | レンタル |
|---|---|---|
初期費用 | 高額 | 低額 ※工事不要の床置き型 |
保守・修理 | 自社負担 ※修理手配・修理費用のすべて | 不要 ※自然故障に限り、代替品交換・無償修理が可 |
季節外の保管 | 必要 | 不要 |
経費処理 | 30万円以上は資産計上し、法定耐用年数に応じて減価償却費として分割で計上する必要あり ※中小企業者等は30万円未満まで即時経費化の特例あり | 月額料を経費として処理できるケースが多い |
入れ替えの柔軟性 | 低 | 高 |
レンタルの流れと費用感
導入までの4ステップ
①ご相談・お見積り
当ホームページよりご連絡ください。ご依頼内容や現場の環境をもとに、お見積りやプランをご提案します。設置レイアウトなどのご相談も可能です。【所要日数:1~3日程度】
②プランのご提案・日程調整
ご提案したプランに問題がなければ、お申し込みの上、納品に向けての手配を進めます。併せて現場への配送方法や日程を調整します。【所要日数:3~7日程度】
③配達・設置
ご指定の日時にお届けします。到着後は、経験豊富なスタッフがスピーディーに設置。使い方や使用上の注意についてもスタッフから説明するのでご安心ください【所要時間:1時間~】
④撤収・回収
レンタル期間の終了、または途中解約をご希望の際は、当社までご連絡ください。指定日時に現場まで回収にうかがいます。【所要時間:1時間~】
※所要日数や時間は目安です。状況やご注文内容、設置場所、台数などによって異なります。
⑤レンタルの費用感
エイトレントで取り扱っている「業務用加湿器 特大(大容量50L)1台」のレンタル料金は以下になります。
1か月 | 2か月 | 3か月 | 4か月 | 5か月 | 6か月 |
|---|---|---|---|---|---|
15,680円 | 26,640円 | 35,760円 | 43,920円 | 51,760円 | 59,280円 |
※消費税・配送料・設営費は別途。
※納品場所・利用商品・数量によって料金が異なります。
※在庫状況、仕入れ状況により単価が変動する可能性があります。
よくあるご質問
加湿器1台で何畳まで対応できますか?
以下の表をご確認ください。なお、建物の気密性や周辺環境によって数値が変動する場合があります。お気軽に当社までご相談ください。
プレハブ洋室の広さ | 木造和室の広さ | 必要加湿能力の目安 |
|---|---|---|
~14畳(~約25㎡) | ~8.5畳(~約15㎡) | ~500mL/h |
~25畳(~約45㎡) | ~15畳(~約27㎡) | ~900mL/h |
~42畳(~約76㎡) | ~25畳(~約45㎡) | ~1,500mL/h |
~67畳(~約122㎡) | ~39畳(~約71㎡) | ~2,400mL/h |
67畳超 | 39畳超 | 5,000mL/hクラスまたは複数台 |
電気代はどれくらいかかりますか?
お選びいただく加湿方式によって異なり、もっとも消費電力が低いのは「気化式」です。
なお、「業務用加湿器 特大」の場合、10時間稼働させた際の1日の電気代は約55.18~75.95円。1か月(30日)で約1,655.4~2,278.5円です。
給水は1日何回必要ですか?
当社で取り扱っている「業務用加湿器 特大」のような、大容量タンク(50L)を内蔵しているモデルであれば、1日1回です。一度満タンにしておくことで、最大10時間の連続運転が可能です。
短期間・1台だけでも借りられますか?
借りられます。1台だけはもちろん、冬のシーズンのみといったご利用も可能です。
ただし、本格的な乾燥期(12月~)に入ると、加湿器のご注文が集中し、在庫不足が発生することがあります。できるだけお早めにご予約されることをおすすめします。
まとめ
業務用加湿器と家庭用の最大の違いは、1時間あたりに空気中へ放出できる水分量を示す「加湿能力(mL/h)」にあります。
そのため、広い空間を効率的に潤すには、加湿能力5,000mL/h・50Lタンク内臓の「業務用加湿器 特大」が最適です。わずか1台で空間全体を十分にカバーでき、給水やメンテナンスといった運用の手間も軽減できます。
また、加湿器は冬の限られた期間しか使わない設備です。必要なシーズンだけ設置し、オフシーズンは返却するだけの「レンタル」という選択が非常に合理的でおすすめです。
まずは一度、乾燥でお困りの場所について私たちにお聞かせください。これまで積み上げてきた豊富な経験とノウハウを活かし、お客様の環境やニーズに最適なプランをご提案します。
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