オフィスパーテーション施工の種類│工事不要で設置できるタイプも紹介

テレワークと出社を組み合わせた「ハイブリッド出社」が定着しつつある昨今。社員の出社日に会議が集中することから「会議室不足」という現象が急増しています。また、個人席を決めず空いている席を使うフリーアドレスにより、集中できる個人スペースを確保しにくいという課題もあります。 

そこで、オフィスパーテーションの導入を検討するものの、アルミパーテーションやスチールパーテーションなどさまざまな種類があり、目的に合うものはどれか決めかねている方も多いはず。選択を間違えると、想定外の工事が発生したり、消防法への対応に追われたりと、思わぬ手間とコスト増を招く場合があります。

そこで本記事では、オフィスパーテーションの種類について、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説します。また、工事不要のレンタルパーテーションについても紹介。コストを抑えて理想のオフィス空間を実現するためのヒントとして、ぜひお役立てください。

オフィスパーテーションには、大きく分けて2種類あります。専門業者による工事が必要な「施工型」と、簡単な組み立てだけで利用できる「設置型」です。

「施工型」は、パーテーションパネルをはめ込むフレームを天井や床にビスで固定し、新しい壁を造作するタイプです。天井と床の間を完全にふさぐことができるため、密閉性が高く、防音性やセキュリティ機能に優れているのが特徴です。会議室や役員室など、独立した空間をつくりたいときに適しています。

しかし、天井や床にフレームを固定することで発生するデメリットを考慮しなければなりません。例えば、施工型は一度設置すると容易に動かすことができないため、レイアウトを変更する際は、専門業者による「解体」と「再設置工事」が必要になります。また、ビスで天井や床に穴を開けるため、賃貸オフィスの場合は退去時に原状回復費用が発生します。

「設置型」は、専門業者による取り付け工事は不要で、衝立（ついたて）のようにパーテーションを置くだけで設置できるタイプです。天井や床に固定しないため、室内を傷つける心配がありません。社員の人数増減や新部署の開設などに合わせて、自分たちで自由にパーテーションを動かすことができ、レイアウト変更が非常に容易です。 

施工型に比べて防音性は低いですが、高さのあるパネルを使用することで、十分にプライバシーを確保ことが可能です。コストを抑えつつ、柔軟なオフィスづくりをしたい企業に選ばれています。

エイトレントが提供するレンタルパーテーション「Eパネル」は、この設置型に該当します。

「施工型」といっても、素材や構造によって性能やコストは大きく異なります。ここでは代表的な4つの種類について説明します。 

アルミ製のフレームとパネルを組み合わせたものです。部材が軽量であるため、他の施工型に比べてコストが安く、短期間で設置できる点がメリットです。 

ただし、パネルの芯材にハニカム（ハチの巣）構造の紙を使っているため、防音性はそれほど高くありません。また、フレームがパネルの表面に出る構造上、見た目は「一般的なオフィス仕様」という印象になりがちです。

「デザイン性は問わず、安く・早く空間を仕切りたい」という場合に向いています。

石膏ボードをスチール（鉄）のパネルで挟み込んだ構造のパーテーションです。アルミ製とは異なり、フレームがパネルの内側に隠れるため、壁面がフラットで美しく仕上がります。

最大の特徴は「機能性の高さ」です。石膏ボードによる優れた防音性と、スチールによる不燃性を兼ね備えており、機密性が求められる会議室や役員室に最適です。その分、アルミ製よりもコストは高く、重量があるため設置場所の床荷重に注意が必要です。

パネル部分にガラスを使用したタイプです。フレームがあるものや、ガラス同士をコーキングでつなぐフレームレスなどがあります。

視線を遮らないため、空間を広く見せる「開放感」と、オフィスをおしゃれに見せる「デザイン性」を両立。採光を確保できるため、窓のない部屋の間仕切りとしても人気です。一方、コストは比較的高額になります。また、プライバシー確保のためにフィルムを貼るなどの工夫が必要になるケースもあります。

LGS（軽量鉄骨）で下地を組み、石膏ボードを貼り付けて壁紙や塗装で仕上げる、いわゆる「建築工事」でつくる壁です。 

アール壁（曲面壁）にしたり、好みの壁紙を使ったりとデザインの自由度は圧倒的に高いですが、造作壁は「建築物の一部」となるため、設置には長い工期と、粉塵・騒音を伴う工事が必要です。また、オフィス退去時に、パーテーションを設置する前の状態に戻す必要があり、その際にかかる費用が高額になる傾向があります。

「防音性が高い、しっかりしたパーテーションを導入したい」という理由で施工型を選ぶと、後になって想定外の手間やコストが発生することがあります。導入を決定する前に知っておくべき「3つの落とし穴」について解説します。

施工型パーテーションにかかるコストは、導入時の取り付け工事費用だけではありません。 

賃貸オフィスの場合、退去する際は基本、原状回復義務が発生します。施工型は天井や床にビスを打って固定するため、退去時にはパーテーションをすべて解体し、不要であれば産業廃棄物として処分。さらに天井や床の穴も修復しなければならず、これらにもコストがかかります。

天井まで完全にふさぐ「ハイパーテーション」で空間を仕切った場合、法的に「部屋」として扱われます。新しくできた部屋により火災時に避難や消火活動の経路を確保できなくなる、もともと設置していた火災感知器やスプリンクラーなどが有効範囲外になることから、消防法に基づいた対応が必要になります。

そのため、ハイパーテーションを導入する際、条件を満たすと「防火対象物工事計画届出書」などを管轄の消防署へ提出しなければなりません。さらに、新たにできた部屋によって火災感知器やスプリンクラーなどが有効に機能しない場合は、それらの移設・増設工事も必須です。

こうした付帯工事に数十万円単位の追加コストがかかるケースは珍しくありません。 

施工型パーテーションを導入すると「固定資産」として扱われ、減価償却による会計処理を行うのが一般的です。

導入費用をその年の経費として一括計上できず、耐用年数（施工型は15年）に応じて数年にわたって減価償却を行う必要があります。しかし、パーテーションの種類や設置方法によっては、耐用年数を特定することが難しい場合もあり、専門家に相談する必要があります。これは総務・経理部門にとって、適切な会計処理をするための準備や、固定資産台帳への記帳など、管理業務が増えることを意味します。

施工型が抱える「コスト」「手間」といった課題をスマートに解決できるのが、工事不要の「レンタルパーテーション」です。多くの企業に選ばれる3つの理由があります。

レンタルパーテーションであれば、取り付け工事をはじめ、パーテーション導入に伴う付帯工事も、基本的に不要です。しかも、月々のレンタル料を導入期間だけ支払えばいいので、まとまった資金を用意する必要がなく、会社のキャッシュフローを圧迫しません。 

また、レンタルパーテーションの導入費用は、「経費」として計上されるケースが大半です。面倒な資産管理や償却計算が不要になるため、経理部門の業務負担を軽減できます。

さらに、レンタルパーテーションは、「会議室を増やしてほしい」などの社員のニーズに応えつつも、コストを抑えた提案ができるので、社内稟議が通りやすいという特徴もあります。

施工型の場合、工事期間も含めて時間がかかりますが、レンタルパーテーションは、在庫さえあれば短期間での納品が可能です。なかでも、エイトレントの「Eパネル」は、組み立てや連結に工具を使わないので、従来の工具を使って組み立てるパーテーションよりも1/2以下の時間で設置できます。パーテーションが届いたその日から使い始めることができます。

ビジネスの状況は常に変化します。一度導入すると動かせない施工型とは異なり、レンタルパーテーションは「必要なときに、必要な分だけ」利用できる柔軟性があります。 

「来月から新入社員が入るので、デスクエリアを広げたい」「プロジェクトが終了したので、専用エリアを片づけたい」

こうしたご要望にも、レンタルなら追加注文や返却で即座に対応。状況に応じた自由なオフィスづくりが可能です。

エイトレントの「Eパネル」は、レンタルといっても簡易的な衝立とは違います。豊富なサイズのパネルを組み合わせることで、施工型に匹敵する本格的なオフィス空間をつくり上げます。

Eパネルの特長は、高さ・幅のサイズの豊富さです。高さは、H900mm～2100mmまで幅広くラインナップ。「周りの視線を遮ってデスクワークに集中したい」「背伸びをしても、パーテーションの向こうを覗けないようにしたい」など、ご要望に合わせてパネルを組み合わせることができます。 

決まったサイズの衝立を並べるのとは異なり、オフィスの寸法に合わせてデッドスペースのない空間づくりができます。

Eパネルは、レンタルでありながら「鍵付きドア」の設置が可能。通常のパーテーションでは難しい「個室」をつくれるのが最大の特長です。 

Eパネルは、天井付近が開いているタイプのパーテーションです。多少の音漏れはありますが、周囲からの視線を遮断し、ドアを閉めることで心理的な安心感が生まれ、落ち着いて話せる会議室や応接室をつくることができます。 

さらに、天井付近が開いていると、空間を仕切ってもオフィスの間取りは変更していないとみなされるため、「個室」をつくっても消防署への届出や防災設備の移設・増設工事は原則不要。既存の空調・照明設備もそのままで風や明かりを取り込めます。

Eパネルは、軽量ポールにパネルを専用部材で連結するため、簡易的なスタンド式パーテーションよりも倒れにくく、安定性があります。もちろん、床にビス穴を開けることもありません。 

連結パターンも自在で、直線連結で長い壁をつくったり、L字連結でコーナーをつくったり、またT字や十字連結で複数のブースを配置したりと、柔軟に対応できます。 

Eパネルに採用しているカラーは、どのような内装・用途にも自然に馴染むホワイトカラーです。 

無機質な印象を持たれやすいアルミ製やスチール製、簡易的な雰囲気が漂う布製とは一線を画し、清潔感や信頼感を演出できるのが特長です。空間を明るく見せるほか、来客エリアにも最適な品格を備えています。

本記事では、オフィスパーテーションの「施工型」と「設置型」の違いについて解説しました。

完全に密閉された空間や、高い防音性を最優先するならば、「施工型」のご検討をおすすめしますが、そこには「高額な初期費用」「消防法への対応」「退去時の原状回復コスト」といった、経営上、見過ごせない負担が伴います。

また、変化の激しい現代のビジネスにおいて、オフィスレイアウトにも「柔軟性」と「スピード」が求められています。

それらの課題を回避する最適解は、工事不要で鍵付きドアのある個室までつくれる、エイトレントの「Eパネル」です。

オフィスパーテーションの導入にお悩みのご担当者様。まずは短期間契約で設置し、使い勝手が良ければ契約期間を延長できるスモールスタートで検討してみてはいかがでしょうか。導入シミュレーションやレイアウト相談も無料で承っていますので、お気軽にご連絡ください。

A.天井までふさぐ施工型パーテーションの場合は届出が必要です。一方、エイトレントの「Eパネル」のような天井とパーテーションの間に隙間がある設置型パーテーションは、消防署への届出は不要となるケースが多いです。ただし、ビルの管理規定や、パーテーションを設置する広さや位置によっては、消防署への確認が必要になることもあります。パーテーション導入前にビル管理会社や管轄の消防署へご相談ください。

A.可能です。これが「レンタル」の最大のメリットです。「社員が増えたので執務エリアを広げたい」「プロジェクトが終わったのでブースを縮小したい」といったご要望に合わせて、パネルを追加・回収することができます。一度設置するとレイアウト変更が困難な施工型とは異なり、オフィスの変化に合わせて柔軟に環境をアップデートできます。

A.完全な防音をご希望の場合は「施工型」をご検討ください。「Eパネル」などの設置型は、天井付近が開いているため、パーテーション内の会話を完全に遮断することはできません。しかし、高さのあるパーテーションを選ぶことで、人の視線や気配を遮ることは可能です。心理的な安心感が生まれ、オープンな場所よりも落ち着いて会議ができる環境をつくれます。「姿は見えないが、声は聞こえる」環境でも問題のない、社内ミーティングや集中ブースとしての利用に最適です。

A.規模にもよりますが、一般的に施工型は工事期間も含めて時間がかかるのに対し、工具なしの組み立て作業で済むエイトレントの「Eパネル」なら、非常に短期間で設置することができます。搬入出の時間帯や土日祝日の対応につきましては、建物の入館規定や配送状況により調整が必要ですので、お見積り時に担当者へご相談ください。