オフィスパーテーションの選び方 種類・特徴から活用事例まで徹底解説

オフィスパーテーションの選び方|種類・特徴から活用事例まで徹底解説

「会議室の音が漏れて困る」「Web会議用のブースを急いで作りたい」 オフィスの環境改善において、最も手軽かつ効果的な手段がパーテーション(間仕切り)の活用です。 しかし、いざ選定しようとすると「スチールとアルミは何が違うのか?」「消防法はどうなるのか?」「工事期間は?」など、専門的な疑問にぶつかりがちです。 本記事では、オフィス移転やレイアウト変更の支援実績が豊富なエイトレントの視点から、目的に合ったパーテーションの選び方、種類の違い、そして失敗しやすい法令や設備の注意点までを体系的に解説します。

なぜオフィスにパーテーションが必要なのか? 3つの導入効果

導入提案の前に、まずはパーテーションがもたらす「メリット」を整理しておきましょう。その効果は、単なる「仕切り」という役割にとどまりません。

1. 空間効率の最大化と柔軟なゾーニング

限られたオフィス面積の中で、「会議スペース」「執務スペース」「リフレッシュエリア」といった役割を明確にします。壁を建てる工事(造作壁)と比較して、パーテーションは床面積を無駄にせず、レイアウト変更にも柔軟に対応できるのが最大の特徴です。

会議室・執務スペース・リフレッシュエリアがパーテーションで仕切られているオフィスの写真

2. 視線と音のコントロールによる「生産性向上」

「人の視線が気になって集中できない」「周囲の話し声がうるさい」といったストレスは生産性を下げます。適切な高さと素材のパーテーションで視線を遮り、音をコントロールすることで、社員が安心して業務に集中できる環境を作ることができます。

3. オフィスの印象を決める「ブランディング」

エントランスや来客用会議室は、企業の顔です。無機質なオフィスでも、ガラスや木目調のデザイン性の高いパーテーションを取り入れることで、来訪者に「洗練された企業」「信頼できる企業」という印象を与えることができます。

【徹底比較】オフィスパーテーションの主な種類と特徴

パーテーションは大きく分けて、工事を伴う「ハイパーテーション(施工型)」と、置くだけの「ローパーテーション(自立型)」に分類されます。それぞれの素材と特徴を理解することが選定の第一歩です。

1. ハイパーテーション(施工型・天井固定)

床から天井までを完全に仕切るタイプです。会議室や役員室など、独立した部屋を作る際に使われます。

ハイパーテーションを設置しているオフィス写真

種類

特徴とメリット

デメリット・注意点

スチールパーテーション

遮音性・不燃性が高い。2枚のパネルで石膏ボードなどを挟む構造。壁のような重厚感があり、会議室に最適。

コストが高く、重量があるため施工が大掛かり。一度設置すると移設は困難。

アルミパーテーション

低コスト・軽量。アルミの柱にパネルをはめ込む構造。軽く、加工しやすいためデザインや色のバリエーションが豊富。

構造上、パネルの継ぎ目から音が漏れやすく、スチールに比べて遮音性は劣る。

ガラスパーテーション

開放感・デザイン性。視線を遮らずに空間を仕切れる。採光性が高く、狭いオフィスでも圧迫感が出ない。

コストは高め。遮音性はガラスの厚みやフレームの構造に依存する。

2. ローパーテーション(自立型・簡易連結)

工事不要、または簡易な工事で設置できるタイプです。目隠しや簡易的なゾーニングに使われます。

ローパーテーションを設置しているオフィス写真

種類

特徴

用途

クロス(布)タイプ

最も一般的。画鋲が刺せるものや、吸音性のある素材が多い。

デスク間の仕切り、執務エリア

スチール・アルミタイプ

マグネットが使えるため、掲示板としても活用可能。耐久性が高い。

ミーティングスペース、通路脇

半透明・アクリル

光を通すため明るさを確保できる。圧迫感が少ない。

受付、圧迫感を避けたいエリア

\オフィスパーテーションを工事設置するか迷っている方へ/

パーテーション選びでは、パネルの素材だけでなく「施工方法(工事の有無)」も重要な決定要素です。ここを間違えると、後から移動ができなかったり、予想外の施工費がかかったりと失敗の原因になります。 「工事あり・なし」それぞれの特徴と、工事不要でもしっかりと空間を仕切れるおすすめのタイプについて、別記事で徹底比較しました。

失敗しない!パーテーション選び 4つの重要チェックポイント

種類を把握した上で、実際に自社に導入する製品を選ぶ際の基準(スペック)を見ていきましょう。

Point 1:【高さ】目的に応じた最適な高さを選ぶ

高さの選定ミスは、導入後の不満の最大の原因です。「誰の・どの視線を遮りたいか」で決定します。

高さ1100〜1200mm(座った状態で見える)

デスクワーク中もコミュニケーションを取りたい場合に最適。開放感を維持できます。

高さ1500〜1600mm(座ると隠れ、立つと見える)

目線が隠れるため、業務に集中できます。プライバシー確保の標準的な高さです。

高さ1800mm以上(立った状態でも隠れる)

通路からの視線を完全に遮断したい場合や、簡易的なミーティングスペース、更衣室などに使用します。

天井まで(フルハイト)

密閉された個室が必要な場合。遮音性は高いですが、消防法や空調への配慮が必須です。

Point 2:【機能性】遮音「(防音)」と「吸音」の違い

オフィスにおける「音」の対策には、大きく分けて「遮音(防音)」と「吸音」の2種類があります。

まず「遮音」は、音を外に漏らさないための対策です。重要会議の内容を聞かれたくない場合や、会議室としての独立性を高めるには、遮音性に優れたスチールパーテーションが最適です。

一方、「吸音」は室内の音の反響を抑える対策を指します。Web会議での自分の声が響くのを防ぎたいシーンでは、フェルト素材などを用いた吸音タイプのローパーテーションが適しています。

このように、音漏れを防ぎたいなら「遮音」、声の反響を改善したいなら「吸音」という基準で選定することをおすすめします。

Point 3:【法令・設備】消防法と空調・照明の確認

ハイパーテーション(天井まであるタイプ)を設置する際、避けて通れないのが法令や設備の問題です。

特に注意が必要なのが「消防法・建築基準法」との兼ね合いです。天井まで完全に仕切ってしまうと、その空間は「部屋」とみなされます。その結果、スプリンクラーの増設や火災報知器の設置、あるいは排煙窓の確保などが新たに義務付けられるケースがあるため、事前の確認が必須です。

あわせて「空調・照明」の環境も重要です。区切った場所にエアコンの風が届くか、照明のスイッチが独立しているかを確認しておかないと、「夏は暑くて使えない会議室」になってしまうリスクがあります。こうした問題を回避するために、天井付近の欄間(らんま)部分を開放する「欄間オープン」タイプを採用するのも一つの有効な解決策です。

\天井まで仕切るべきか迷っている方へ/

天井までのパーテーションは遮音性が高い反面、コストや法規制のハードルがあります。本当に自社に必要なのか、工事不要の代替案はないのか、以下の記事で詳しく解説しています。

Point 4:【コストと納期】本体価格+「工事費」

ハイパーテーションは、部材費だけでなく「搬入費」「施工費(職人の手配)」「諸経費」がかかります。また、発注から施工完了まで数週間〜1ヶ月以上かかることもザラです。

「来週から使いたい」という場合は、在庫があれば即納可能なローパーテーションや、簡易設置タイプを選ぶ必要があります。

目的・シーン別のおすすめ活用事例

具体的な利用シーンに当てはめて、最適な構成をシミュレーションしてみましょう。

Case A:【会議室・応接室】機密性と信頼感を重視

会議室・応接室のように機密性と信頼性を重視する空間では、遮音性を最優先する必要があります。そのため、スチールパーテーション(不燃認定品)にグラスウール(吸音材)を充填した構成を推奨します。音漏れを徹底的に防ぐため、ドアにはゴムパッキン付きの気密性の高いものを採用することが理由です。

Case B:【エントランス】企業のアイデンティティを表現

エントランスなど企業のアイデンティティを表現したい空間には、ガラスパーテーションとカラーアルミ柱の組み合わせを推奨します。開放感を保ちながら、コーポレートカラーのフレームで企業らしさを演出できます。目線の高さにだけフロスト加工(すりガラス調)のフィルムを貼ることで、上品に目隠しをするのがポイントです。

Case C:【Web会議ブース・集中席】低コストでスピード導入

Web会議ブースや集中席など、低コストで迅速な導入を求める場合は、吸音ローパーテーションをコの字型に配置することを推奨します。これは、大掛かりな工事をせずにデスクを囲うだけで簡易ブースを作成できるためです。吸音パネルが周囲の雑音を和らげる効果があり、レイアウト変更も容易に行えます。

\社員の「集中できない」を解決!個室ブースを検討中の方へ/

「オープンなオフィスはコミュニケーションしやすい反面、周りの話し声や視線が気になって業務が進まない…」そんな社員の声にお悩みではありませんか? 実は、大規模なリフォーム工事をしなくても、パーテーションをうまく組み合わせるだけで、快適な「集中ブース」や「Web会議用個室」を後付けで増設することが可能です。社員の満足度と生産性を劇的に向上させる、失敗しない個室作りのノウハウを以下の記事で公開しています。

【実際の導入事例をもっと見る】

エイトレントでは、これら以外にも多様なオフィスの課題を解決してきました。実際の設置事例や、取り扱っている商品の詳細は以下からご覧いただけます。

初期費用を抑えて柔軟に導入するなら「レンタル」も選択肢

「パーテーションは購入して工事するもの」と思い込んでいませんか?

企業の成長スピードが早い現在、固定化された設備はリスクになることもあります。

「購入」と「レンタル」の比較

項目

購入(施工)

レンタル

初期費用

高い(部材費+工事費)

安い(月額料金+基本設置費)

資産計上

必要(減価償却)

不要(経費処理が可能)

変更・撤去

困難(解体・廃棄費用が発生)

容易(返却するだけ)

こんな企業に

長期間(5年以上)同じレイアウトで使う/完全な防音個室が必要

移転の可能性がある/短期間のプロジェクト/初期投資を抑えたい

エイトレントの「Eパネル」なら設置も変更も自由自在

私たちエイトレントが提供する「Eパネル」は、これまでのパーテーションの常識を変えるレンタル専用パネルです。

  1. 工具不要でスピーディー:マグネット連結のため、専門業者の工事なしで、お客様自身でもレイアウト変更が可能です。
  2. 豊富なオプション:ドア、窓、吸音タイプなど、多様なパーツを組み合わせられます。
  3. 1日からレンタル可能:イベントや短期プロジェクト、繁忙期の増席など、必要な期間だけ無駄なく利用できます。

まとめ:自社のフェーズに合った「調達方法」と「種類」を選ぼう

オフィスパーテーション選びで失敗しないためには、以下の3ステップで検討を進めてください。

  1. 目的を明確にする(防音か、目隠しか、デザインか)
  2. 条件を確認する(天井設備、消防法、将来のレイアウト変更の可能性)
  3. 調達方法を選ぶ(長期なら購入・施工、柔軟性重視ならレンタル)

「図面を見てもイメージが湧かない」「消防法のことがよく分からない」

そんな時は、ぜひエイトレントにご相談ください。

50年以上の実績に基づき、レイアウトの作成から、最適な種類の選定、設置・撤去までワンストップでサポートいたします。

まずは「無料見積り」や「レイアウト相談」から、理想のオフィスづくりを始めませんか?

よくある質問

Q. 賃貸オフィスですが、ハイパーテーションの工事は可能ですか?

A. 可能です。ただし、床や天井に穴を開けるビス固定が必要な場合が多く、ビル管理会社の許可(B工事区分になることが多い)が必要です。退去時の原状回復費用も考慮する必要があります。

Q. 防音性を高めるために、ローパーテーションでできることはありますか?

A. ローパーテーションだけでは音を遮断することはできませんが、「高さ1800mm以上の吸音パネルを使う」「隙間なく連結する」ことで、会話の内容を聞き取りにくくする効果(サウンドマスキング効果)は期待できます。

Q. 中古のパーテーションを購入するのはアリですか?

A. コストは抑えられますが、サイズが合わない、部品が足りないといったトラブルが多いのも事実です。特にハイパーテーションは現場に合わせて加工されているため、中古品の再利用は難易度が高いです。プロとしては、サポートのしっかりした新品か、初期費用の安いレンタルをおすすめします。

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エイトレント株式会社 マーケティング情報本部 マーケティング課

編集チーム

長年の間、当社に在籍する社員が中心となって自社サイトの記事制作を担当。 自社で取り扱っている商品・サービスに関する情報は、社内の関連部署や販売メーカーに確認を行いながら日々サイト情報のアップデートを行っている。

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