
【企業・施設向け】梅雨時期の熱中症リスクとその対策〜湿度の罠に気をつけて〜
日本の夏の入り口を告げる梅雨。しとしとと続く雨、重たい雲、まとわりつくような湿気――この季節には、意外にも「熱中症」のリスクが高まることをご存じでしょうか?「真夏=熱中症」というイメージが定着していますが、実は梅雨こそ油断できない時期なのです。本記事では、梅雨の特徴と熱中症の意外な関係、そして具体的な予防策について解説していきます。
梅雨の特徴とは?
梅雨(つゆ)は、日本列島を横断する「梅雨前線」によって引き起こされる長雨の季節です。例年6月から7月にかけて本州を中心に雨や曇りの日が続きます。
主な気象的特徴
- 高温多湿:気温はまだ本格的な夏ほどではないものの、湿度が高く蒸し暑さを感じやすい
- 日射の少なさ:曇りがちで太陽が隠れがちだが、晴れた日には一気に気温が上昇
- 熱帯夜の入り口:特に梅雨後半になると夜間の気温が下がりにくくなる
こうした梅雨独特の気象条件は、気が付かないうちに身体にストレスを与え、体調に及ぼすリスクを高める原因となります。
なぜ梅雨に熱中症が増える?
「真夏ではないし、そこまで暑くないのに・・・?」と疑問に思われる方も多いかもしれません。ここでは梅雨時期特有の熱中症リスクについて、3つの視点から紐解きます。
湿度による体温調節の阻害
梅雨期において熱中症の原因になりやすいのは、湿気による体温調整の失敗です。人は汗をかいて体表面から熱を放出することで体温を保っていますが、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体内に熱がこもってしまいます。
梅雨は湿度70〜90%に達することも珍しくなく、蒸発が妨げられることで、体が冷えず、熱中症リスクが急上昇します。
湿度と体温調節の関係
湿度(%) | 汗の蒸発しやすさ | 体感温度の傾向 | 熱中症リスク |
---|---|---|---|
40~60 | 蒸発しやすい | 体感温度は実温度に近い | 低め |
70以上 | 蒸発しにくい | 実温度+3~5℃に感じる場合も | 高い |
80以上 | さらに蒸発しにくい | 熱がこもりやすい | 非常に高い |
このように湿度が上がるほど、熱中症の危険性も高まるといわれています。
身体の暑さへの対応がまだ不十分
梅雨は夏の入り口。まだ体が「暑さに慣れていない」時期です。この段階で高温多湿にさらされると、体温調整がうまくできず、突然体調を崩すケースもあります。
室内での油断
梅雨時は屋内にいる時間が長くなりがちですが、室内でも湿度は高くなります。エアコンをつけずに過ごすことで、室内熱中症が発生することもあります。室内で業務を行う場合も、注意が必要です。
【企業・施設向け】現場・オフィスでの対策
では、具体的にどのような対策をとればよいのでしょうか。本記事では4つ紹介したいと思います。
梅雨時期の対策早見表
対策項目 | 実施内容例 |
---|---|
環境モニタリング | 温湿度センサーを各所に設置。アラート付きの機器が有効 |
こまめな水分補給 | 基本中の基本ではあるが有効 |
作業環境の調整 | 暑い時間をさけたり、作業環境そのものを快適に |
天気の変化に敏感になる | 危険なタイミングをあらかじめ予測しておく |
環境モニタリング
温度だけでなく、湿度計も設置して環境をチェックしましょう。湿度が70%を超えるようであれば、エアコンの除湿機能や除湿器を活用する事をおすすめします。ベストはWBGTセンサーを設置する事です。気温や湿度だけでない、総合的な熱中症のリスクまで見える化できます。
こまめな水分補給
基本中の基本ではありますが、とても大事な事です。暑くないという環境が、水分補給を遅らせることもあります。汗と共に失われる塩分も補えるよう、スポーツドリンクや経口補水液もおすすめです。
作業環境の調整
屋外作業がある場合は、作業時間を早朝や夕方に調整したり、15~30分ごとの休憩を徹底するなどの配慮が求められます。また、屋内である場合はエアコンとのバランスも重要です。サーキュレーターや工場扇で空気を循環させると効率よく快適な空間が作れます。また、局所の冷却が可能なスポットクーラーや気化式冷風機を活用することもおすすめです。
天気の変化に敏感になる
梅雨は湿度の上昇だけでなく、突然の晴れ間や気温上昇も多くなりがちな季節です。週間予報や熱中症警戒アラートをチェックし、危険なタイミングを予測する事も大事です。
なお、熱中症アラートは下記サイトにて確認ができます。
環境省熱中症予防情報サイト
レンタルをうまく活用しよう
梅雨時期の対策アイテムは使う時期も限られていますし、数をそろえるとコストもかさばります。レンタルであれば、必要な時に必要な分だけ利用することが可能です。特に梅雨の様な期間限定で必要な備品をそろえる必要がある場合は、レンタルの強みを最大限に活かせます。
項目 | 購入 | レンタル |
---|---|---|
納期 | 数日〜数週間 | 最短当日出荷・翌日納品 |
設置工事 | 必要な場合あり | 原則不要/当社が設置対応可能 |
保守・管理 | 自社負担 | メンテナンス込み/故障時交換可 |
使用期間 | 長期向け | 短期〜長期に柔軟対応 |
使用後 | 保管、管理が必要 | 回収可能/保管不要 |
減価償却・資産化 | 必要 | 必要なし(経費処理可能) |
まとめ | 「湿度」に着目しよう
熱中症というと「暑さ」だけに目が行きがちですが、梅雨時期は「湿度」こそが見落とされがちな大敵です。湿度という隠れたリスクによって、熱中症の発症リスクが高まる時期でもあります。体調不良の前兆を見逃さず、「湿度」と「水分補給」をキーワードに、家庭でも企業でもしっかりと対策を行っていくことが求められます。熱中症は予防が何より重要です。「まだ6月だから大丈夫」ではなく、「6月こそ気をつけよう」という意識を持つようにしましょう。
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