オフィスに天井まであるパーテーションは必要?メリットと設置の注意点、工事不要の代替案も解説
「会議室の声が外に筒抜けにならないか気になる」 「来社した人に機密情報が見えているのではないかと心配だ」 仕切りのないオフィスの場合、こうした課題を抱えるケースが多いはずです。とはいえ、大人の背丈ほどのパーテーション(ローパーテーション)では、防音性や機密性は低く、音漏れや情報漏えいを防げるとは言えません。 この記事では、ハイパーテーションのメリットをはじめ、導入時や退去時の注意点を紹介しつつ、工事不要・低コストで快適な空間をつくれる「レンタルの活用術」についても解説します。
天井まであるパーテーション(ハイパーテーション)を設置する3つのメリット
圧倒的な「防音性」
ローパーテーションとは比較にならない高い防音性を確保できます。
音には「回折(かいせつ)」という、障害物(壁など)に対して音が回り込み、その裏側まで伝わる性質があります。そのため、上部が開いているローパーテーションでは、どれだけパーテーションを厚くしたり、吸音性のある素材にしても、音が上部から伝って、パーテーションの向こう側に漏れてしまいます。
しかし、ハイパーテーションは天井までふさぐため、音が回り込みにくくなり、音漏れを大幅に軽減することができます。
波長の長い音(人の話し声など)は、障害物にぶつかると後ろに音が回り込みやすい
機密情報を守る「セキュリティ」を確保
物理的ゾーニング(区分け)により、セキュリティレベルを向上させることができます。
近年、プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の取得において、オフィス内に「物理的セキュリティ区画」を設けることは必須です。具体的には、「来訪者が立ち入るエリア」と「人事・経理など機密情報を扱う執務エリア」を明確にゾーニングすることが求められています。
ハイパーテーションでオフィスを区切ることで、外部からの視線を完全に遮断し、“見られるリスク”を回避。さらに、前述の防音性により“聞かれるリスク”も低減します。また、鍵付きドアを設置すれば、重要書類の保管室としての機能も発揮します。
造作壁よりも「施工が早い」
ハイパーテーションにはいくつか種類があります。設置型(工事不要で置くだけで完了するもの)であれば、建築工事で壁をつくる(造作壁)よりも施工スピードが早いという特徴があります。
「防音性とセキュリティ性を高めるなら、堅牢な造作壁がいいのでは?」と考える方も多いかと思いますが、LGS(軽量鉄骨)を下地に造作壁をつくる場合は、完成までに1週間以上かかるケースが一般的です。
しかし、設置型のハイパーテーションは、工場で製造されたパネルを組み立てるだけでよく、短期間で工事が完了します。
また、設置型のハイパーテーションは、造作壁の工事のように石膏ボードを切断する際の粉塵が出ないため、オフィス内にあるパソコンなどを養生する手間も不要。「業務を止めず、従業員が出社しない週末に設置したい」というニーズにも応えられます。
しかし、ハイパーテーションの導入には「見えないコスト」と「リスク」がある
【消防法】届出や設備工事が必要になる可能性
ハイパーテーションで空間の一部を仕切ると、法律上、「密閉された空間=部屋(居室)」として扱われます。新たに出来た「部屋」により、火災時の避難や消火活動の経路を確保できなくなる危険性があるため、ハイパーテーションで空間を仕切った際は、消防法に準拠した措置が必要です。
まず、管轄の消防署へ、必要書類・図面とともに「防火対象物工事等計画届出書」と「防火対象物使用開始届出書」を期日までに提出しなければなりません。そして、ハイパーテーションを設けたことで防火設備(火災感知器、スプリンクラー、排煙設備など)の設置場所が消防法違反になる場合、基準を満たすように工事しなければなりません。
これらは専門資格を持つ業者による工事が必要で、数十万円単位の追加コストがかかることが珍しくありません。
【工事】空調・照明の移設・増設工事
「オフィスを天井まで隙間なく仕切って新しく会議室をつくったことで、空調の風が入らなくなり、夏は蒸し風呂状態」というのは、ハイパーテーション導入における典型的な失敗例です。
そこで、新たにつくった部屋に空調の風が届くよう、天井裏のダクト分岐や吹出口を増設する工事が必要です。また、設置したパーテーションにより天井照明も遮られるため、部屋が均一の明るさになるよう、照明位置を再配置するか、新たに照明設備を追加しなければなりません。
ハイパーテーションを導入することで、空調設備や照明設備の移設・増設工事といった付帯工事が重なり、予算オーバーしてしまうことがあります。
【退去時】「原状回復」の費用と手間
忘れてならないのは、オフィスの退去時です。
賃貸オフィスの場合、退去する際は基本、原状回復義務が発生します。パーテーションの撤去はもちろんのこと、ハイパーテーションを導入したことで移設・増設した空調・照明・防火設備も元に戻さないといけません。さらには、パーテーション本体の廃棄費用も必要です。
テナントビルによっては、ビル管理会社が指定する業者しか工事を行えない契約になっている場合があります。相見積もりが取れず、ビル管理会社が提示する高額な撤去費用を請求されるリスクもあります。
「見えないコスト」と「リスク」を回避するために
ここまで読んで、「ハイパーテーションは、消防法に準拠した手続きをしたり、防火設備などの追加工事をしなければならなかったりと、いろいろ面倒……。もっと手軽にオフィスをゾーニングしたい!」と感じた方もいるでしょう。
そのような方には、工事不要・短納期で設置が完了する、エイトレントの「レンタルパーテーション」がおすすめです。
ひと目でわかる!「施工型ハイパーテーション」と「レンタルパーテーション」の比較
比較項目 | 施工型ハイパーテーション | レンタルパーテーション |
|---|---|---|
セキュリティ性 | 非常に高い | 視線と気配を遮断(会話は聞こえる可能性あり) |
導入期間 | パーテーションの種類による(アルミ製なら短納期で導入できるが、造作壁なら1週間以上かかる) | 短納期(組み立てや連結に工具は不要。従来の工具を使って組み立てるパーテーションよりも1/2以下の時間で設置できる) |
初期費用 | 高額(パーテーション費・施工費に加え、空調・照明などの付帯工事がかかる) | 安価(月々のレンタル料のみで導入可能)※別途、設置費用がかかる場合があります |
消防法に準拠した措置 | ほぼ必須(火災感知器やスプリンクラーなどの工事が義務付けられている) | 基本不要(天井付近を少し開けた「欄間オープン型」にすることで、消防署への届出などが不要になるケースが大半)※管轄の消防署や建物の条件によって異なる場合があります |
設置後のレイアウト変更 | 困難(パーテーションを一度設置すると簡単に移動できない) | 柔軟(「社員が増えたので位置をずらしたい」といった状況に即対応できる) |
資産区分 | 固定資産/減価償却(資産として計上し、数年かけて減価償却する必要がある) | 経費となるケースが多い(経費として計上できるため、節税効果も見込める) |
退去時の原状回復 | 高額・手間がかかる(解体工事、廃棄処分、原状回復工事が必要) | 容易(パネルを解体して返却するだけ。補修費用もほとんどかからない) |
上記のとおり、エイトレントの「レンタルパーテーション」は、音漏れのリスクは多少あるものの、多くのメリットがあります。特に成長フェーズにある企業においては、オフィスのレイアウトは頻繁に変わるもの。一度設置したらなかなか変更できない施工型よりも、エイトレントの「レンタルパーテーション」のほうが使い勝手がよく、状況に応じて柔軟に使用することができます。
コストと手間を抑えるなら「天井は少し開ける」が現実的な解
パーテーションの高さは2.1mあれば、人の視線と気配は遮れる
オフィスのセキュリティ性を高めるには、パーテーションの高さが「2.1m(2100mm)」あれば十分であるとご存じですか?
日本人成人男性の平均身長は約1.7m。2.1mのパーテーションを設けることで、背伸びをして中を覗き込もうとしても、パーテーションの中の様子を見ることはできません。もちろん、パソコン画面や机上の書類も見えないため、“見られるリスク”を排除できます。
完全に音を遮断できなくても人の気配は遮れるので、「集中できる空間がほしい」というニーズにも、この高さで十分に応えることができます。
参考:e-Stat 政府統計の総合窓口 2019年次(22~59歳の平均)
欄間オープン型ならば、消防法対応や空調工事などは不要
天井とパーテーションの隙間を「欄間(らんま)」と呼びます。ここが開いている「欄間オープン型」のパーテーションであれば、空間を仕切ってもオフィスの間取りは変更していないとみなされるため、消防署への届出や防火設備の移設・増設工事が不要になります。
また、パーテーションの上部が開いているため、空調の風が循環し、照明の明かりも共有できるので、空調のダクト工事や、新たに照明を設置するための電気工事なども行う必要がありません。
レンタルパネルなら「必要なときだけ」設置して、不要なら返却
エイトレントの「レンタルパーテーション」であれば、「イベント準備のための1週間だけアルバイト従業員の作業スペースをつくりたい」「オフィス移転までの1か月間だけ廃棄品の仮置き場をつくりたい」といった短期利用が可能です。
また、オフィスを仕切る必要がなくなったり、テナントビルから退去する際は、パネルを解体して返却するだけなので、不要になったパネルの処分やそれにかかる費用も不要です。
何よりも、まずはレンタルパーテーションを設置してみて、使い勝手がよければ期間を延長するといったスモールスタートが可能。パーテーション選びにおける、もっともリスクの低い選択肢と言えます。
まとめ
天井まで隙間なく仕切る「ハイパーテーション」は、防音性は高いですが、消防法対応や空調工事、退去時の原状回復費用など、パーテーション本体費用以外のコストがかかるリスクがあります。
しかし、高さ2.1mの「欄間オープン型」パーテーションにすることで、来訪者の目に機密情報が入ることはなく、また、防火設備や空調設備などの大掛かりな工事を行う必要もありません。
「会議室での会話が外に漏れるのを何とかしたい」「来訪者と機密情報を扱う従業員の動線を分けたい」、そして「出来る限り予算を抑えたい」。そのような課題を解決するには、エイトレントの「レンタルパーテーション」は有効な手段の1つです。
特に、事業内容や規模に合わせて「必要なときに、必要な分だけ借りて、不要になったら返却する」ことができるのはレンタルならでは。この柔軟性こそが失敗しないオフィスづくりの鍵となります。
「オフィスの間取りを変えたいけど消防法に抵触しない?」「どの高さのパーテーションがいい?」といったお悩みをお持ちのご担当者様。まずは一度、エイトレントにご相談ください。経験豊富なスタッフがお客様のオフィス環境とご予算に合ったアドバイスをさせていただくほか、導入シミュレーションやレイアウト相談も無料で承ります。
よくあるご質問
Q. 天井との間に隙間があっても、セキュリティ面は安心ですか?
A.はい、十分なセキュリティ効果が期待できます。 情報漏えい対策において重要なのは、機密書類やパソコン画面を「物理的に見られないこと」です。高さ2.1mのパーテーションであれば、成人男性の平均身長(約1.7m)よりも高いため、背伸びをしても中の様子を覗き見ることはできません。完全な密室を作らなくても、視線を遮ることでセキュリティリスクを排除し、業務に集中できる空間を確保できます。
Q. パーテーションを設置すると、空調の効きが悪くなりませんか?
A.天井付近が開いている「欄間(らんま)オープン型」であれば、その心配はありません。天井まで壁で塞ぐと空気が循環しなくなり、エアコンの増設工事やダクト工事が必要になるケースが一般的です。しかし、上部が開いているタイプなら、オフィス全体の空調の風や照明の明かりを共有できるため、快適な環境をそのまま維持でき、大掛かりな設備工事も不要です。
Q. 最初は短期間だけのお試しで利用することはできますか?
A.はい、可能です。必要な期間だけ借りられるのがレンタルの最大のメリットです。「イベントの準備期間だけ」「オフィス移転までのつなぎとして」といった数週間〜1ヶ月単位での短期利用も可能です。まずは実際に設置してみて、使い勝手が良ければ期間を延長したり、逆に不要になればすぐに返却・撤去ができるため、施工型のような「一度作ったら後戻りできない」というリスクがなく、手軽に導入いただけます。
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