2025年6月からスタート！企業現場に求められる熱中症対策義務化とは？

これまで熱中症対策は“努力義務”にとどまっていましたが、熱中症に対して重篤化を防ぐ為、2025年6月1日より施行された改正労働安全衛生規則により、以下のような「具体的な対策の実施」が事業者に義務付けられました。熱中症による被害は年々増加しており、命を守るための施策といっても過言ではありません。

初期症状の放置や対応の遅れが重篤化につながりやすいというデータも出ています。この施策は死亡に至らせない（重篤化させない）ために熱中症の早期発見、異常時の対応を出来る準備をしっかりしなさいという意味合いが大きいです。
違反が発覚した場合には、行政指導や最悪の場合は罰則の対象になる可能性もあるため、形式的な取り組みではなく、実効性のある施策が求められています。


出典：厚生労働省 職場における熱中症対策の強化について　（https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf）

義務化では「現場における義務」も明確に定められています。

• 体制整備
• 手順作成
• 関係者への周知

つまり、熱中症患者が出た際に、どのように体制で、どのように搬送・救護を行い、どのように周知するかまで事業者の責任範囲となりました。

下記は一例ですが、熱中症発症時の症状と取るべき対応を、簡単にまとめました。熱中症は待ってくれません。迅速な対応が人の命を救う事もあります。

症状レベルに対する、適切な対応が事業者には求められます。
適切な対応を行うためにも、対応に必要な備えも"義務の一部"と言えるでしょう。

今回の熱中症対策義務化は、熱中症の発見・対応に焦点が当てられていますが、当然未然に防ぐ事も重要になります。
ここからは「義務化の内容にも即した、熱中症を未然に防ぐための現場対策」と、「それに必要な設備」をご紹介します。

WBGT（暑さ指数）測定器を現場に設置すれば、「どのタイミングで休憩を取るべきか」が一目で判断できます。
厚生労働省の資料にも、「WBGT28度以上又は気温31度以上」の環境下で、連続1時間以上又は1日4時間を超えて実施」が見込まれる作業が対象であると明記されています。
WBGTを可視化できる計測器は、熱中症を予防する為にも重要なアイテムになります。

気温とWBGTの違いは何でしょうか？簡単に言うと、気温は「大気中の温度」にすぎませんが、WBGTは「「体で感じる暑さ」を総合的に表したもの」です。同じ気温でも、湿度の違いなどで熱中症のリスクは変わります。

出典：WBGT測定器で暑さ指数をチェックして熱中対策　（https://ec.midori-anzen.com/shop/e/ea054_010/）

王道のスポットクーラー、工場扇、ミストファンなども基本的ではありますが効果が期待できます。

作業者自信の体温情報を抑えるグッズもたくさんあります。
先ほど紹介した作業環境を冷やす商品と組み合わせる事でさらなる効果が期待できるでしょう。

• 冷却ベスト：保冷剤を内蔵し、着用するだけで体温の上昇を抑制。
• ファン付きウェア：服の中に風を送って、汗を効率よく蒸発させる。
• ネッククーラー・冷感タオル：首元を冷やして血流全体をクールダウン。

義務化により、以下の備えを現場に用意する必要があります。

• 経口補水液、保冷剤
• 救護スペース
• トランシーバーなどの連絡手段
• 担架・ストレッチャーなどの搬送機器
• 近隣医療機関の連絡先と対応マニュアル

今回ご紹介した備品をすべての人数分を用意することは大変です。レンタルであれば、必要な時に必要な分だけ利用することが可能です。必要な備品をそろえる際は、購入、レンタルをうまく使い分ける事でコストや時間を削減できます。

弊社ではWebサイトに掲載していない商品も取り扱っています。
WBGT計測器や冷却ベストについては、こちらのPDFをご覧ください。

2025年6月からの法改正により、熱中症対策は企業の“努力義務”から“法的責任”へと変わりました。しかし本当に重要なのは、働く人の命を守るという意識と仕組みです。
レンタルサービスを上手に活用すれば、費用を抑えながら必要なタイミングで最適な熱中症対策を実施できます。義務に応えるだけでなく、現場の安全を守るために、今すぐ実行可能な対策から始めましょう。